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[2021.09.01] 基礎前期産業医研修会参加②new


7月11日(日)、令和3年度第1回基礎・前期産業医研修会午後の部へ参加しました。

三菱ケミカル株式会社人事部全社統括産業医の真鍋憲幸先生による「作業環境管理」の2時間の講義を拝聴しました。事業者は作業環境中の有害要因を工学的な対策によって除去し良好な作業環境を得るため、作業環境の測定を行い記録し必要な指導、指示を行わなければいけません。

有害要因には物理的、科学的、生物的な要因など様々ありますが、このセッションでは労働安全衛生法で規定されている原材料、ガス、蒸気、粉じん、酸素欠乏空気、病原体、放射線、高温、低温、超音波、騒音、振動、異常気圧、廃棄、廃液、残債物に絞って説明して頂きました。まずは厚生労働大臣が定めた基準値をもとに作業環境測定を行いますが、測定計画、すなわち

①デザインとしては、できるだけ不利になるよう、最も作業環境が悪い時間帯を選ぶことが重要で、空間的、時間的な変動の平均的な状態を測定するA測定、濃度が最も高くなると考えられる場所と時間で測定するB測定が基本です。

②サンプリングとしてはろ過補集法、液体捕集法、個体補修法、直接捕集法があり、デジタル粉じん計、ガス検知器など簡易測定機器を使用することもあります。分析も含めて第1種作業環境測定士に依頼したり、簡易測定機器しか使用できない第2種作業環境測定士に依頼することもできます。

③分析は作業環境測定基準、作業環境測定ガイドブックを用い、重量分析方法、原子吸光分析方法、ガスクロマトグラフ分析方法、吸光度分析方法などがあります。暴露限界には日本産業衛生学会の勧告値である許容濃度、ACGIH(アメリカ産業衛生専門家会議)の勧告値であるTLV、厚労省が定めた管理濃度があり、単位作業場所の95%以上の場所で期中有害物質の濃度の平均が管理濃度を超えない第一管理区分、作業環境管理の改善の余地があると判断される第2管理区分、濃度の平均が管理濃度を超える第3管理区分に評価されます。万が一漏洩事故が発生したら、鎮圧、拡大防止、シャットダウンなど即時事故対応を取ると共に、地域消防、警察へ指揮権移譲するなどの対応が必要とのことです。

引き続き真鍋憲幸先生による「有害業務管理」の2時間の講義では、上記の有害物質以外にも、

物理的要因として、紫外線、赤外線、レーザー光線、電磁場、電離放射線、高気圧(低気圧)、暑熱、高温物体、寒冷、騒音、低周波、超音波、振動などがあり、熱中症対策も最近のトピックスだそうです。

作業的要因として重量物取扱、腰部負担、振動工具取扱、引き金月工具取扱、VDT作業などがあり、トピックスとして介護施設、デイケアでの腰痛防止対策、VDT対策があります。

化学的要因として、化学物質、酸素欠乏空気、タバコなどがあり、受動喫煙防止対策が重要です。

生物的要因として、細菌、ウイルス、昆虫、獣毛、穀物粉、花粉などがあり、なんといっても新型コロナ感染症対策がトピックスです。

心理・社会的要因として、長時間労働、過重労働、ハラスメント、ワーク・エンゲージメントなどがあり、メンタルチェック義務化が始まりましたが、最近非常に増加していますので、別のセッションで扱うとのことでした。

①有害物・有害業務の除去・代替として暴露をできるだけ小さくすることが必要で、事業者が特定の化学物質を含んだ製品を他の事業者に出荷する際にSDS(Safety Data sheet;安全データシート)を添付しなければならず、安全衛生情報を記載し、事故や中毒に対応できるようにします。また国際連合が中心となって開発したGHS(Globally Harmonized System of Classification and Labelling of Chemicals)により、世界的に統一されたルールに従って、化学品を危険有害性の種類と程度により分類し、一目でわかるようラベルで表示したり提供したりするようになり、ピクトグラムなどが用いられます。

②工学的対策では全体換気、局所換気などがあり、フランジ効果、プッシュプル型局所排気装置などが用いられます。

③管理的対策として従業員の健康診断を行ったり、危険・有害性について教育したり注意喚起を表示、作業場の4S(整理・整頓・清掃・清潔)の徹底などがあり、従業員一人一人のスキルが大切な砦、最後の砦です。

④個人用保護具の使用では呼吸用保護具の種類(吸気式とろ過式)や性能(粒子捕集効率を12種類に分類)から適切なものを選択する際、産業医だけでなく専門家の意見も聞いて皆で相談することが重要だそうです。 検定合格品を使用し、定性的フィットテスト、定量的フィットテストを行い、着用指導を日頃から実施しておくことが必要です。

盛り沢山な内容ですが、明日からも最新の知見を当院通院患者さまへお伝えしていきたいと思います。

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[2021.08.01] 基礎前期産業医研修会参加①new


7月11日(日)令和3年度第1回基礎・前期産業医研修会午前の部へ参加しました。日本医師会が認定する産業医になるには講習会を受けたり実地で経験を積むなどして50単位取得しなければなりませんが、この度の研修会で7単位を取得しました。まだまだ長い道のりですが、気長に勉強していこうと思います。

当院といつも連携してくださっている三菱ケミカル株式会社人事部全社統括産業医の真鍋憲幸先生による「総論」の2時間の講義では、産業医を引き受ける会社の大きさや仕組みをまず把握したり、「川上(基礎商品)」「川中(中間原料)」「川下(最終製品)」「4組3交代(24時間営業)」「3組3交代(週末休み)」「ライン(管理監督者)」などの業界用語やその業界の今後の流れも勉強しておくことが会社とのコミュニケーションでは重要であるとのことでした。労働契約と健康管理の在り方では、会社には従業員の安全や健康を確保するなど安全配慮義務がありますが、従業員にも会社の求めに応じて必要な労務が提供できるよう、業務遂行に必要な健康状態を保つよう努める責務、すなわち自己保健義務があり、産業医は従業員の自律を支援するというスタンスで最近若い世代にも増えてきている肥満、高血圧、糖尿病、肝障害などに対し治療を受けるよう促したり、禁煙、飲酒を控えるなど生活習慣の改善については20代の若い世代から教育していくことも重要だそうです。全年齢層で運動習慣も少なく睡眠不足とのデータも示され、当院でも引き続き生活習慣の改善を指導していこうと思いました。

鎗田労働衛生コンサルタント所長の鎗田圭一郎先生による「メンタルヘルス対策」の1時間の講義では、脳・心臓疾患による労災の請求件数、支給件数ともに年々減少しているのに反して、うつ病や適応障害などの精神障害による労災請求、支給件数は年々増加しており、出来事別のデータでは、2019年にパワハラ防止法が施行されたこともあり、上司からのパワーハラスメントや同僚からの暴行、いじめ、嫌がらせが上位を占めています。平成27年に労働安全衛生法が改正され、心理的な負担の程度を把握するためのストレスチェックが開始されましたが、受けたくなければ受けなくても構わないし、診断結果も本人の同意がなければ事業主は知ることができません。57項目からなる職業性ストレス簡易調査票のうち12項目を抽出して仕事のコントロールと仕事の量的負担、同僚の支援と上司の支援でグラフ化すると、高ストレス群を容易に発見することができ、全国平均と比較することによってその会社のメンタルヘルスの状態も把握できるとのことです。上司へ気軽に相談できる仕組み作りが大切であり、復職に際してはリハビリ出勤制度の確立やリワークの活用なども重要とのことでした。

明日からも最新の知見を当院通院患者さまへお伝えしていきたいと思います。

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